こんにちは!だんキチです。
昔…と言っても何年か前の話なんだけど、夜いきなり友達のこうじから電話が来て、
「あのさ~あそこにある自販機(いかがわしい)に連れてってくれない?」
ということがありました。
当時、僕は免許取り立てでこうじはまだ免許持ってなかったから、少し遠いその自販機に行きたいがために僕にお願いしてきたとのこと。
ちょうど僕も暇してたから…
「いいよ!ビデオでも買うの?」
と言ったところ、恥らいながら…
「…うん」
と思春期的BOYのリアクションをきめてきたのでした。
僕「じゃ今から迎えに行くから待ってて!」
こうじ「了解!」
そんな感じでこうじの家に到着。
一緒に車に乗りながら話していると…
「あそこの自販機ビデオが500円なんだ~!!」
…と、まるで汚れをしらない少年のような瞳で話しているのを見て僕は思いました…
どんだけエ〇ガッパなんだよオメーは!!
いざ自販機へ
しかしながら、僕も盛りの年代。多少なりとも興味があったので…
「ほんとに500円だったら僕も買うよ!」
などと言う会話で盛り上がり、2人でテンションを上げながら目的地へ向かったんだ。
そして、運命の自販機に到着!!
到着したとたん、こうじがマッハで車のドアを開けて自販機へとダッシュしていったのを見て…
「おいおい、そんなにはしゃぐなよ(微笑み)」
と子供をもったパパみたいな感情をもったのを今でも忘れません。
早速僕も車から降りてこうじの後を追うと、何やら囲われている自販機からこうじが叫んでいた。
「500円だよー!!だんキチくん!500円だよー!!」
テメーは婦人服のバーゲンセールで声出ししているおばちゃんかよ!(笑)
僕もワクワクを抑えられず、さっそく囲われている自販機に入ってみたらそこは別世界。あそこの空間は、どう説明していいか分からないけどとにかく現実ではないんだ!
そう、例えるならば思春期の少年達のネバーランド!ワンダーランド!!
思春期の少年なら、この質問にこう答えるはず!
質問「ディズニーランドといかがわしい自販機どっちに行きたい?」
思春期少年「…いかがわしい自販機。」
当時はそのくらい衝撃的な場所だったわけなんだけど、現代の少年達はわかんないだろうな。
そして、興奮をおさえつつこうじが…
「俺これにするよ!!」
と前から決まっていたかのように速攻決めていた。こうじの手に500円玉だけがギュッ!っと握りしめられていたのを見て僕は…
「あ~こいつほんとに楽しみにしてたんだな」
と心底思ったのであった。
こうじ「だんキチくん決まったなら先に買ってもいいよ?」
そう言われたが、僕は後悔しないようにじっくり考えるタイプ。
だからこうじに…
「いや、もうチョイ考えるから先に買っていいよ」
と言った瞬間だ!
こうじが、まるでバスケットのゴールにスラムダンクを決めるかのごとく、自販機のコイン投入口に500円玉のダンクを決めたッ!!!
チャリーーーン!!!!
…………………
……………
………
…。
光らない!ボタンが光らない!!
その瞬間、すぐさま隣を見てみると、自販機のコイン返却レバーをこれでもか?!っていうくらいに上下!上下!上下!上下!上下!上下!している無表情のこうじがいた。
もしかしてのまれた?!
握りしめてきた500円のまれた?!
そう…大事に握りしめてきた500円玉がのまれた瞬間であった。
ワクワクしながら握りしめてきた500円。瞳を輝かせながら語っていたときも、汗ばんだ手のひらに握りしめられていた500円。
グッパイ500円玉…。
僕は正直かける言葉が見つからなかったんだけど、とっさに…
「ここに書いてある電話番号に連絡しようよ?!」
と言った。
しかし、こうじは何かを悟ったような仏のような微笑みで…
「いや、大丈夫。いいよ。」
とだけ言葉を残し、ワンダーランドからゆっくりと現実世界へと戻っていったのだ。
嗚呼、かわいそう。
「お金貸すよ?後で返してくれればいいから!」と言っても、こうじは「いいよ。だんキチくん買ってきな。」という始末。
いや、買えるわけねーじゃん?俺だけ買えるわけねーじゃん?!
「いや、僕もほしいのないから今日はいいや!」と言い、こうじと一緒に車に乗り込んだ。
帰宅の道のり
到着時と帰宅時のテンションの高低差がものすごいことになっていて、僕はテンションの高低差によるGで押しつぶされそうになりました。これだけの高低差を味わったのは、後にも先にもこの時だけです。
帰りの車内というのはもう「葬式」に値するくらいひどく、お互いあまり会話がなかった。。。
そして、こうじの家に到着…
こうじ「今日はありがとね!また電話するよ!!」
空元気である。
「泣けよ!!泣いてもいいんだぞッ!!」と叫びそうになったが、そっと心の中にしまいこみ「じゃあまたね!」と言葉を残し、車を走らせたのであった。
もうほんと切ない気持ちになったねこのときは。
正直、あの自販機が一番イラついた!こうじの500円返せよ、あのワクワクを返せよと。
自販機へと戻る僕
僕はイライラを募らせながら戻ったよ!あのいかがわしい自販機に!
車に乗りながら色々考えた。
「あの電話番号に電話して500円返してもらおうか?」
「業者が来たら文句を言ってやる」
あれこれ考えながら、先ほどの現場に到着。
怒りを奮い立たせながら、ワンダーランドへと飛び込んでいったらやはりそこはワンダーランド。
すぐに怒りなんて吹っ飛んだよね。もうピンク色の世界にご満悦だよね僕。
すかさず、こうじのようにはなるまいと500円玉ではなく千円札をサイフから取り出した。
先ほど決めかねていたビデオに決定し、千円札をお札投入口にスムーズに入れる。
ヴィーーーーーン。お札が入る。
……………………
……………
………
…。
光らない!!ボタンが光らない!!!!
おいッ!!頼むよ!お願いだよッ!!千円札なんだ!500円じゃないんだ!
僕も先程のこうじのように、返却レバーをこれでもか?!ってくらい上下上下上下上下上下上下上下する!
しかし返却されない!
それでも上下上下上下上下上下上下!!!!
嗚呼神様…お許し下さい。
天罰なのですか?こうじを裏切ってビデオを買おうとした天罰なのですか?
いっこうに戻ってくる気配すらない千円札。そして無表情の僕。
さっきこうじが無表情になって、仏のような発言をした気持ちがこの時ようやく分かった。
もういいや…。帰ろう。
その日のうちに、これほどまでのテンションの高低差を味わったのは日本中…いやッ!世界中を探しても僕だけではないのかと思った1日でした。
……。
っとま~、こんなことが昔あったな~!ってふと思い出したので書いてみたけど、笑いながら書いたよね。この記事(笑)
文章にしてみると、おもしろくて仕方がなかったよ(笑)
後日談なんだけど、友達のこうじが自販機にリベンジした結果……
また500円のまれてた(笑)